派遣薬剤師という働き方もアリ!
はじめまして!福島県で派遣薬剤師をしていた三春です!今は地元の青森に戻ってきてます。福島での派遣薬剤師の仕事があまりに楽しかったので、これから派遣薬剤師として働いてみようかな〜と思っている薬剤師の方にどんな風な感じで派遣薬剤師になるのか?そして実際の派遣薬剤師のお仕事はどんな感じかをお伝えしますね。
私の様に他県から単身で福島県に派遣で行くケースもあるし、もともと福島が地元で福島県内で派遣先を探すのもアリです。
とにかく派遣薬剤師というスタイルは自由度が高く、かなりオススメですよ。
とりわけ、福島で派遣薬剤師をしたので、福島には強い思い入れがあります。
薬剤師不足が深刻で、薬剤師を「先生、先生」と大事にしてくれますし、みんな親切でいい人ばかりでした。
まずは青森出身の私が、どうして福島県で派遣薬剤師することになったかを自己紹介を交えて書かせて頂きますね。
私は青森のド田舎でノビノビと育ちました。大自然の中で育った私ですが、小中高と上がるにつれて都会への憧れは募るばかり。
「大学は絶対に東京に行きたい!しかも就職も東京でしたい!でも田舎者だから、心折れて地元に帰ることもあるかも(-_-;)そうだ!全国どこでも働ける資格職だ!それなら親も納得するでしょ!」
こんな不純な動機でしたが、東京に出ることを目標に必死に受験勉強を頑張り、なんとか第一志望の東京の星薬(星薬科大学)へと進学しました。
夢と希望を胸いっぱいに秘めて上京したわけですが、東京での大学生活開始半年は楽しくて楽しくて仕方がありませんでした。星薬は都内にあるので地元の青森と大違い!よく講義が終わって友人と自由が丘に遊びに行ってました。
時間にも余裕があったので、海外旅行に行ったり、夏フェスに行ったり、合コンしてみたり。充実した大学生活を送っていました。
と、ここまではキラキラした憧れのキャンパスライフでしたが、1年の後半からは実習やら試験やらで時間も心も余裕がなくなり、それから4年まではとにかく単位を落とさないように真面目に勉強し、最初の半年が嘘のように大学と自宅との往復の生活を送っていました。
就活をするにあたって、親からは地元に戻ってくるようにとの強いプレッシャーをかけられました。それでも私は東京でのキラキラした社会人生活が諦めきれず、親の反対を押し切って都内の大学病院に就職しました。憧れの都内での就職でしたが、大学病院の鬼のような忙しさと、通勤の満員電車に徐々に疲れ切っていきました。
派遣薬剤師になろうと思ったきっかけ
仕事の忙しさと都会での暮らしに疲れ切っていた中、親からは再び帰ってこいプレッシャーが。意地になっていた私ですが、地元に戻ることを決意しました。
青森に戻ってからは総合病院の門前薬局に就職しました。そこでは7年ほど勤務して、調剤薬局での一通りの業務を経験しました。地元に戻って就職した薬局は、大手の薬局ではなく個人経営の1店舗だけの薬局でした。業務量は多く、総合病院門前なのでそれなりには処方内容も多彩で勉強になる環境ではありましたが、ひとつの薬局に7年も勤めていると、マンネリ感が否めませんでした。(´・ω・`)
そんなとき、大学時代の友人たちと久しぶりに会うことに。大手の薬局に就職した友人や病院勤務を続けている友人の仕事の話を聞いているうちに、私は今の自分の現状に危機感を感じました。
「みんな色んな経験をつんで、スキルアップ、キャリアアップしているんだ!それに比べて私は…。」(。>0<。)
それが、転職を考え始めた第一歩でした。
- 他の薬局も経験してみたい。大手はどんな感じなのかな?
- 今の自分の実力が、どこまで通用するのかな。
- そして、7年間まとまった休みもとれなかったので、どこか遠くに行きたい!
そうなんです。個人の薬局では人員不足で、なかなかまとまった休みが取れずにいました。もともと旅行好きな私には、それがストレスでもありました。そんな中、看護師をしている友達が沖縄で派遣をしているという話を聞きました。その話を聞いた瞬間、私は決断しました。
「そうだ!派遣薬剤師として他県で働いてみて、自分の今後を見つめ直してみよう!」
私が実際に登録した薬剤師派遣サイト
派遣薬剤師をしてみようと決断した私でしたが、周りで実際に派遣をやったことのある薬剤師さんというのは聞いたことがありませんでした。そもそも青森県でも対応してくれるエージェントがあるのかも不明でしたし。
そして退職は決まっているとはいえ、何よりもまだ在職中。ルーチン業務をこなしながら、派遣先を見つけ出すことが出来るのか不安でした。
とりあえず、ネットで「派遣 薬剤師」で検索してみました。すると、思ったよりもサイトがいっぱい出てくる!
サイトを開いて求人をみてみると、全国各地で想像以上に多くの派遣の求人があるのに驚きました。
その中でも求人数が多いファルマスタッフさんに、ネットから登録してみることに。氏名・生年月日・住所・電話番号・メールアドレス・希望職種などをサクサクっと入力して、3分かからず登録終了です。
ファルマスタッフ
私が実際にお世話になったのがファルマスタッフです。
コンサルタントさんは普段は仙台にいるけれど、青森と福島担当で週に2回は青森に来ているとのことでした。在職中の私のスケジュールに合いやすいように面談の調整などもしてくれ、とても助かりました。
ファルマスタッフさんでは、地方・へき地在住の転職者でも電話面談ではなく、必ず直接会って面談しているそうです。直接面談して、薬剤師になった理由から今までの経歴、どうして派遣をやってみたいのか、そしてこれからどんな薬剤師になっていきたいかまで、まるで新卒就活の時の面接のように聞き取りがありますが、コンサルタントさんがとても上手に聞き取りをして下さるので、希望条件なども伝えやすかったですし、とても良かったですよ。
【ファルマスタッフ仙台営業所】
住所: 宮城県仙台市青葉区一番町4-6-1 仙台第一生命タワービルディング11F
TEL: 0120-46-8931
私もこちらの支店ではなく、地元にコンサルタントさんが出張で面談に来てくれたので、かなり地方に住んでる方でも安心です。
一応、お世話になったコンサルタントさんが所属している支店への行き方を書いておきますね。
東北は仙台支店が拠点になっている様です。
アクセス方法:
地下鉄「勾当台公園駅」南3出口より徒歩2分、仙台市営バス・宮城交通バス停留所「商工会議所前」を降りた正面のビルです。
※1階が三菱UFJモルガン・スタンレー証券の入っているビルです。
派遣サイトに登録してからの流れ
ネットから登録して10分ほどで、フリーダイヤルから携帯へ着信が!電話に出ると、ファルマスタッフ仙台支社のコンサルタントさんからでした。なんて速さ!と驚いている暇もなく、実際に会って面談しましょうという話の流れに。
在職中のためなかなかスケジュールを組みづらいと思っていましたが、翌週の私の仕事終わりの都合のいい日・時間帯に、私の住む街で面談してくれることになりました。そして当日は薬剤師免許と保険薬剤師登録証をもってくるようにとの話しでした。
いよいよ面談当日ですが、私の町にある市民会館の個室の会議室でコンサルタントさんと1対1で面談です。
まず、お互いの自己紹介をして、用意された履歴書に学歴や職歴を記入していきます。また、その場で薬剤師免許と保険薬剤師登録証のコピーをとりました。
コンサルタントさんはさすがプロで、話がとにかく上手くて自身の経歴も気さくに話すので、私自身も大学時代の話から新卒時の就職、転職前の職場の話、転職に至る経緯まで、ついつい喋りすぎてしまった感じがします。でも、コンサルさんと話しているうちに自分の中でも今回の転職、派遣で何を経験してどんな風に働きたいのか、また今後どうしていきたいのかが何となく整理できた感じがしました。
派遣を希望する理由として私は「色んな職場を経験してみたい。環境を変えて他県で短期間働いてみたい。」という点を話しました。
コンサルさんの話では、派遣をする理由の一番は「お金を稼ぎたい!」だそうです。家や車を買う、不妊治療、医学部再受験、留学等のための資金作りが多いようです。高時給という理由以外だと、
- 全国転勤の旦那さんについて歩くのに仕事探しが楽。
- 不妊治療中でも急な休みがとりやすい。
- 煩わしい人間関係がなく、気楽。
- 全国色んなところで働いてみたい。
などなど、本当に色々な事情があるようです。
どうしてそんなプライベートなことまでコンサルさんに伝えなくてはいけないのかというと、派遣先を探すうえで重要だからです。いつから就業可能か、時給の高さ、休みの取りやすさ、通勤時間等、クライアントによって重視する点が違うので、それによって求人の提案が全く異なるということでした。
実際に私の話から割り出した希望条件は、
- 他県で住居準備希望
- 車通勤可能
- 大手調剤薬局希望
- 完全週休2日
- 処方箋枚数も多め
という条件でした。
面談終了後に、実際の求人提案がありました。コンサルさんがあらかじめ準備してきていた求人の中からいくつかピックアップされて、紙を渡されます。具体的な薬局名はふせてありましたが、地域・受診科目・処方箋枚数・常勤薬剤師数・時給・休日・住居準備可能かどうかが記載されています。
サイトにのっていない非公開求人もあったので、20件近くは条件にあてはまる求人があった印象です。さらに、そのひとつひとつの薬局の特徴について細かく教えてくれました。
例えば、ある薬局は処方箋枚数が少ないので正直やりがいはないかもしれない。また別の薬局は夜間も開局しているので、派遣でもシフト制の勤務になるため、終業時間を気にするなら止めたほうがいい。ここは管理薬剤師さんが若くて明るい雰囲気。などなど、実際に求人先の薬局さんを訪問しているからこその客観的意見が聞けて、とても参考になります。無理やり高時給案件を勧めてくるようなこともありませんでした。
そして、とりあえずその場での面談は1時間程度で終了。就業開始日だけは明確に決めて、求人については条件にあうものをさらに追加で後日メールにて送っていただけることになりました。
面談を終えて2・3日後、追加の求人提案がありました。その中で、福島県での某大手調剤薬局チェーンの募集がありました。
内科門前で処方箋枚数もそこそこある一人薬剤師の調剤薬局。土日祝日休みで高時給、住居の準備があり、さらに赴任時の交通費支給ありとの条件。
条件すべてに当てはまるのと、その街にちょうど友人が住んでいるという安心感から、そこを第一志望に希望しました。希望を伝えたその翌日には、正式に就業先が決まったとの連絡があり、就業前の研修という形で再度コンサルタントさんと会うことに。
最初の面談から1週間後に、今度は家の近くのカフェで待ち合わせしました。詳しい雇用条件が記載された雇用契約書にサインをして、就業時の注意点・持参するものについての説明がありました。30分ほどで研修は終了。
就業日前日に就業先の薬局が準備した住居に入居することになるので、あとは現地でコンサルタントさんと待ち合わせをして鍵を受け取ることになりました。
実際に仕事をしてみて
青森から福島までは高速を使って車で約6時間。他県での派遣薬剤師という初めての経験に、ワクワクする気持ちと環境に馴染めるのかという不安が入り混じります。ちなみに、私の希望で2か月ほどの就業期間だったので、自家用車に積める程度の荷物での引っ越しになります。(準備された住居はいわゆる家具家電付きの光熱費込みのアパートでしたので。)
就業前日、福島まで順調にドライブ。約束の時間に不動産前でコンサルタントさんと合流しました。鍵を受け取って、いざ物件へ。主要駅にも近く、2か月という短期間住むには十分快適な環境でホッとしました。
ひと通り荷物を整理して周辺のスーパーやコンビニ等を確認し、明日の就業初日に向けて実際に薬局までの通勤ルートを運転してみることにしました。
実は、用意された住居から薬局までは車で40分程度離れていました。求人の段階である程度は通勤距離について聞いていたのですが、いざ試しに運転してみると、知らない道のせいもあってか長く感じられて少し不安になってしまいました。でも、逆に練習しておいてよかったと思います。初日から遅刻は一番やってはいけないことだと思うので(^^;)
翌日の就業初日、始業10分前に薬局前でコンサルタントさんと待ち合わせして、いざ薬局へ。
10分ほど管理薬剤師さんとご挨拶をして、コンサルタントさんとはこれでお別れです。初日に一人で伺うのはやはりいくらか不安があったので、同行してもらって助かりました。
管理薬剤師さんは年齢若めの男性の方で、とても穏やかな雰囲気で安堵しました。事務さん達へのご挨拶も終えると、徐々に患者さんも増えてきました。
派遣先が準備してくれた白衣、シューズに着替えて、いざ業務です。まずは簡単な調剤から。ピッキングは棚の位置を把握するまでは、どうしても時間がかかります。ただ、大手の薬局で一人薬剤師なので他店からのヘルプも多く、定期的に派遣を採用しているということで非常にシステム化されていて、棚の位置も分かりやすかったです。
ピッキングに慣れてきたら、徐々に鑑査・投薬です。段々と混んできたので、即戦力として動くことが求められます。監査システムは薬局グループ独自のものですが、慣れるのにそう時間はかかりませんでした。投薬・薬歴記入も最初は手間取って時間がかかってしまいましたが、徐々に慣れました。
そんな感じで慌ただしく初日は終わりました。派遣は決められた定時での帰宅なので、基本的に残業はなしです。残業することになると、1分ごとに時給×1.25分の残業代がかかってしまうということで、派遣先としても定時に帰るよう徹底しているようです。
管薬の先生や事務さんが残業している中、ひとり定時で帰るのは心苦しい感じもしましたが、そこは割り切って自分の業務だけしっかりとこなしてサクッと帰ることに。
ちなみに勤怠管理はファルマスタッフさんではオンラインで報告です。給料計算の締め日までに自分で入力し、派遣先の管理薬剤師さんがオンライン上でまとめて承認をする形でした。
初日は慣れない環境と緊張感もあって自分でも思うように動けないことがありましたが、2日目以降は徐々に慣れて一通りの業務をスムーズに行えるようになりました。
さすがは最大手の薬局さん、ソフト面が大充実していて助かりました。自動分包機、円盤型分包機、ハンディのピッキング鑑査システム、散薬・錠剤鑑査システム、在庫管理システムも導入されているので、一人でも安心して調剤・監査できる環境だと思います。通常の外来業務に加えて、施設調剤も担当することに。一包化や粉砕調剤など、多彩な処方を扱うことができて勉強になりました。
投薬時に困ったのは、患者さんの方言が分からずにコミュニケーションが取れないことがあったこと。ただ、そんな時は事務さんが優しくフォローしてくれます。管薬さんも事務さんも、いい意味で派遣慣れしているので、困ったことや分からないことは忙しそうでも直ぐに聞くようにしていました。そのほうが仕事も早く進むし、間違いないですしね。
何よりも大切なのは、就業先のルールに従って正確に、そして周りや患者さんに迷惑をかけずに責任をもって仕事をこなすことだと思って、日々業務にあたっていました。そんな中でも顔なじみの患者さんが出来たり、薬の相談をしてくる患者さんがいると、薬剤師としてのやりがいも感じるようになりました。
また、都市部から離れている地域だったので、薬局自体が地域のかかりつけ薬局として機能していて門前以外の処方箋も多く、在宅訪問も行っていて、管薬さんは地域での健康講座を開催するなど熱心に活動されている方でした。
ただ、業務拡大したくても人員の確保が難しいとのこと。原発からは離れた地域でしたが、募集を出してもなかなか常勤の薬剤師の確保ができず、グループ薬局の人事でも敬遠されがちな地域ということでした。一人薬剤師でこれだけの業務が行なうためには、ヘルプや派遣に頼らざるをえないという話でした。
こういった状況の中で実際に働いてみて、私の派遣薬剤師に対するイメージは大きく変わりました。
一人薬剤師やへき地の人員不足の薬局では、派遣薬剤師こそがこれから救世主になれるかも!
地方での業務拡大やライフワークバランスを重視する薬剤師さんの増加で、派遣薬剤師の需要は高まるののかも!と。
そんなことを考えながら、あっという間に2か月間の就業が終わりました。
最後には薬局の皆さんから花束やプレゼントをもらい、やっと慣れて名残惜しい気持ちもありながらお別れしました。
派遣薬剤師の時給や社会保険はどうなっているの?
派遣薬剤師を初めてする場合、時給や社会保険など細かい部分が気になるかと思いますので、まとめてみました。
時給
求人票に載っていた時給よりも実際は高い時給をつけてもらえました。これに関しては、需要と経験と、コンサルタントさんの腕次第かと思います。
引っ越し費用
段ボール2箱分は往復分が償還払いされます。領収書が必要。
赴任手当
往復ともガソリン代、高速の費用まで出ます。高速代はETCを利用せずに領収書が必要です。
社会保険
私は2か月以内の就業だったので、かけることは出来ませんでした。週の労働時間と就業期間次第で派遣会社の社保に入れます。
薬剤師損害賠償保険
会社負担でかけてもらえます。
派遣時に提出・持参する書類
薬剤師免許、保険薬剤師登録証、マイナンバー、自動車の自賠責の保険証書(車通勤の人のみ)
住居
私の場合はホテル滞在かレオパレスかを選べました。また、事前に借りるレオパレスの候補が何件かリストアップされて送られてきて、自分の好きなところが選べました。
大手の薬局のメリット
導入されているシステムが一律なので、どの店舗でもある程度対応することが出来るので、次の派遣先を探すのに楽だと思いました。
さいごに
私の場合、しっかりと土日休みがとれたので友人と温泉旅行に行ったり、福島近郊をドライブしたり、オフも大満喫できました。
高湯温泉には、毎週行ってたんじゃないか!?と言うくらい、行きまくってました。(≧∇≦)b OK
普通の旅行では味わえない、住んでみないとわからないその地域の良さを感じられるのも、派遣就業の良さの一つだと思いました。
派遣薬剤師という働き方は、旅好きの人には特におススメしたいです!